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1月 15日
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菅政権は苦戦していますね。景気低迷の中での財政再建と小沢氏問題をかかえ、後ろからも弾が飛んでくる状態ですががんっばって欲しいものです。

菅総理の目指している政治方向性は現在の日本が抱える根本的・構造的な問題で、いつか誰かがやらねばならないことと思います。

批判して失脚させ、例え誰かほかの人に首を挿げ替えたとしても、日本の政治は財政再建や日中・日米問題という同じ課題でつまずくことは明らかです。

 

元総理大臣の細川護煕さんの「内訟録」を読んでいます。細川氏が内閣総理大臣の任にあった1993年8月〜1994年4月までの日記です。

これを読んでいると、この本の主語を細川氏から菅氏に挿げ替えて読んだとしも、何の違和感もないことに愕然とします。

つまり、日本は1993年から何も変わっておらず、いえもっと以前から、バブル崩壊後、様々な戦後日本の政治形態の問題点が明らかになりながらも

本質的な課題に取り組むことなく、国際舞台ではアメリカに迎合し、財政は問題を先送りして借金に借金を重ね続けてきたことが浮き彫りになっています。

 

細川政権崩壊の第1因は、小沢氏ではありませんでした。(小沢氏と武村氏の人間的不和が第2因ではあるようですが。)

財政再建を試みて社会福祉税(消費税3%を取りやめ、年金などへの特定財源としての7%の新税という実質増税)を立案したものの、

社会党などの増税絶対反対の姿勢と、国民の反発にあって、落選を恐れた議員たちが後ろから弾を打って瓦解したというのが実際のようです。

 

高度経済成長の終焉と高齢化社会の到来による社会保障予算の増大が想定されるがゆえに、「もっとも国民が納得できるかたちで」の増税を

試みては、「増税を口にすれば選挙で勝てない」ことで与野党の政治家たちの足並みがバラバラになり、国民も問題先送りを大歓迎することの

繰り返しの結果、財政再建を試みた政治家は失脚し、(日本の未来の設計の何ものも持たない)借金ばらまき型の政治家が生き残って、

800兆円の借金が積みあがってなおも増大中、ということのようです。

 

このことを私たちはどのように考えるべきでしょう?やはり菅政権が問題の根幹で、首相や政党を挿げ替えれば物事がよくなるとお考えでしょうか。

 

確かに細川政権の時の財政健全化案は、いわゆる大蔵・通産省が主体になった増税論で、官僚たちの天下りのための不要な赤字法人の維持費や、

未来予測を見誤ったままの設計に基づく赤字公共事業などの山積みなどによる、財政のザル状態に全く手を付けない状態での増税論であって

とうてい国民の納得のいくものではありませんでした。

 

しかし、今回は、不完全ながらも民主党政権によって一定の事業仕訳が行われた上での財政の健全化案であり、

新興国の勃興によって、国際競争が苛烈さを増していくなかで経済の優位性を保つのは20年前ほど簡単なことでない時代に

日本社会は高齢化を迎え、減少する税収と増大する社会保障関連の支出を、いつまでも未来のツケに回す社会構造であっていいわけがないことは

国民のほとんどが薄々感じているのではないかと思います。

 

しかし、長い経済低迷の時代が続いて、日々の生活も楽ではない現在、私たち国民も「できれば増税は避けたい」のが

いつだって国民感情なのは当然でもあります。

 

とはいえ、細川政権が増税の是非をめぐって崩壊し、その後生まれた小泉内閣が市場原理至上主義で規制撤廃を推し進め、

例えば、タクシーが増えすぎて過酷な競争を強いられたり、派遣労働者と正社員の格差が拡大して社会問題になったのは記憶に新しいところと

思いますが、菅政権を無能と叩いたところで、私たちはいったい誰のどうのような政策を支持し、どこへ向かって進んでいこうというのでしょう?

「増税反対!」も結構ですが、では社会保障は手薄になっていいのでしょうか?あるいは借金返済は私たちが死んだあとの世代におまかせ、で

いいのでしょうか?  政権を批判する前に、そうしたことが私たち国民自身にも問われている、という自覚と覚悟が求められている時代に

足を踏み入れているのではないでしょうか。

 

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今回は、もう一点指摘しておきたいと思います。 Yahooなどにおけるネット上の意見に対する投票の“操作性”についてです。

2年前の民主党の政権交代の時は、Yahooの政治欄などに意見を投稿したり、他の人の意見を参考にした私ですが、この1年くらいの投票の

動きを観察すると、明らかに投票数を恣意的に操作する(おそらく小規模で非公式な)組織の存在を感じます。

おそらく、一人で何十何百のIDを取得しておき、ある勢力から依頼を受けて、その勢力に一方的な支持票(意見)を入れる、ということを生業としている

組織が存在しているという確信を私は持っています。 そして、それだけでなく、24時間某大型掲示板などに張り付いて

依頼された勢力への扇動意見と反対勢力への中傷意見を書き込みき続ける活動を並行して行っているようです。

オレオレ詐欺にも似た、本人たちにはなんのポリシーも詐欺の意識もなく、もちろん、それによって社会が歪んでいくことの罪悪感もこれっぽっちも持たず、

ただ、依頼を受けお金がもらえる側をべた褒めし、反対勢力を貶しまくる組織が暗躍していると考えざるを得ない状況が生じている思います。

そしてそうした連中に仕事を依頼する、権力欲や金儲けに目がくらんだ人々の絶えないことも。

 

新聞や本を読む人が減り続け、ネットで社会状況の概略をつかむ人が増大している現在、そうしたネットでの新たな世論操作の手法とシステムが

確立してきていることを、一般の人も把握したうえでネットを利用するという意識が成長していかないと、今まででは有り得ないような

とんでもないデマを多くの人が信じる危険性が生まれてきていると思います。

こうした現状について、もっと多くの人が把握すべき、と声を大にして主張しておおかなければ、と私は感じています。